( chocolatecake*** )





「ほら、留くんこっちだよ」

目の前で色素の薄い頭がくるりと振り返る。そして穏やかな表情のまま微笑んだ伊作が俺の手を掴んだ。男にしては少し長めの髪を見つめながら俺は伊作に手を引かれるまま路地裏へと足を踏み入れる。

「本当にあんのか?」

思わず疑いの言葉を掛けて辺りを見渡していると伊作が「まぁ、疑われるのも仕方ないけど」と苦笑した。伊作と俺が歩くのはとても狭い路地裏で、両側の高いビルのお蔭で陽は当たらず、とても居心地がいいと思えるような場所ではない。

「コーヒーとケーキが美味くて客が少ない喫茶店…だっけ」
「そう。そこなら留くんもケーキ食べれるでしょ?」

伊作の言葉に俺は「そうだけど」と小さく呟いて返す。
甘いものが好きでケーキやチョコレート、焼き菓子に目が無いにも関わらず、人目を気にしてしまう為に女の人が多い店には入ることが出来ない。一人はともかく、二人でも笑われてしまいそうで店の前で立ち止まることさえ出来ないのだ。
雑誌には目を通すけれど際には食べられない。食べたいのに食べる事の出来ない悔しさと苛立ちは日増しに募っていき、「美味しいけどあんまり客がいない店はないかな」とぼやくと隣りの席に座っていた伊作がその独り言を拾ったのである。

「そういう店を知っているよ。学校帰りに寄ってみる?」

伊作のその言葉に俺は迷わず頷いていた。甘いものが好きだということを唯一話している人物である伊作の言葉は天の助けのようにすら思えたのだ。

「でもよぉ、美味しいと客がたくさん来るイメージなんだけど」
「雑誌とかに載れば来ると思うけど…やる気ない人だからなー」

伊作はくすくすと笑いながら俺の目の前を歩く。人前ならすぐに手を振り払うのだけれど、生憎この細い路地裏を歩いているのは俺と伊作だけで、誰にも見られることなく伊作に手を引かれるままに歩いていく。

「電車の音も聞こえなくなった」

都内とは思えない静けさに、不安になって振り向くと、路地裏の入口がとても遠くに小さく見える。表の通りと比べると随分と涼しいのはまわりがコンクリ剥き出しの建物ばかりだからだろうか。上へと視線を向けると細長い空は遠くに霞んで見えた。
不思議な場所へ迷い込んだみたいだ。そんなことを思っていると伊作が足を止めた。

「あ、ここだよ。留くん」

伊作が指差した先を見ると薄汚れた壁にドアがひとつだけぽつんと佇んでいる。

「…ここ?」

窓も看板も何もなく、ただドアだけがぽつんとあるその光景はどうみても怪しい。

「そう、ここ。ほら、入ろう」

伊作は俺の手を離すとドアの取っ手を握った。
開かないだろうと何となく思っていたドアはすんなりと開き、ドアの上に設置されていた小さな鈴がカランコロンと鳴る。

「え、本当に入んの?」
「ケーキ食べたいんじゃないの?」

俺を横目で見ながら笑った伊作は躊躇うことなく店内へ入っていく。その言葉に何も返せず、俺は伊作の後に続いて店内へと足を踏み入れた。
店内は確かに喫茶店と呼ばれるべき造りをしていた。十畳ほどの広さに古いアンティークのようなテーブルと椅子が数個並んでいる。反対側の壁には窓があったけれど射し込む光が弱くてやはり随分と薄暗い。すぐ右手にカウンターがあり、もしかしたら夜はバーになるのかもしれないと思った。こんな所にあるバーにならちょっと行ってみたい気もする。

「雑渡さーん?」

伊作は遠慮する事なくずかずかと奥へと進んでいく。普段は感じることは少ないのだけれど、こういう時に伊作って図太いよなぁと思う。親しくなった人間に対して伊作は遠慮なんてしない。俺はドアの前に立ったまま奥へと進んでいく伊作を見ていた。
確かに喫茶店のような造りではあるけど営業中には見えなかった。左側の壁へと視線を向けると壁に掛けられている絵に自然と目が止まる。薄暗いから良くは見えないけれど、月と花と、そして何故か赤い果物をモチーフに描かれたその絵はとても繊細な色使いで、そしてとても悲しそうな絵に見えた。描き手が何を思って描いたのだろうかと絵をじっと見つめてみるけど、哀しい雰囲気しか感じとれない。寂しい印象が拭えないその絵に近付いてふと手を伸ばしてみる。

「気に入ったかい?」

突然耳元で人の声がして、慌てて振り返るとさっきまで誰もいなかったはずの背後に知らない人が立っていた。黒いワイシャツに黒いズボンの出で立ちの男は、怪我をしているのか顔に包帯を巻いていて、左目と鼻から下しか見ることが出来ない。漆黒の闇のような黒い目がゆっくりと目の前で細められて、その瞳の中に自分が映っているのが見える。俺にはその人が本当に実在する人間のようには思えず、黙ってその瞳をじっと見つめ返した。

「可愛いね、君。どこから入ってきたの?」

伸びて来たのは随分と綺麗な手で、その手が頬へと触れた。冷たいんだろうなという想像に反してその手はとても暖かく、熱いと感じるほどでその時やっとこの人が生きている人間だと分かったのだ。

「だ、誰ですか?」

目の前の男が人間だと思うと随分と怪しい出で立ちをしていることに気付く。俺は慌てて睨みつけながら後ずさった。

「人に名前を尋ねる時は自分から名乗るべきなんじゃないの?」

笑いを含むような声が囁くように耳元でそう告げる。ぐいっと顔が近づいてきて、何故か食われると思って目を瞑った瞬間、「あー!何してるんですか!」と大きな声が聞えてきた。それは伊作の声と思えないくらい大きなもので、薄っすら目を開けると目の前には男の顔ではなく、伊作の後頭部があった。

「留くんに触らないでください」
「君、留くんって言うの?」

男は首を傾げながら俺へと尋ねて来る。

「…留くんじゃなくて留三郎です」

『留くん』と呼ぶのを許しているのは伊作だけで、それも小学校からの付き合いだからである。初めて会った男に馴れ馴れしく『留くん』と呼ばれる筋合いはないと睨みつけると男は楽しそうに笑った。

「あぁ、君が留三郎くんか。伊作くんから話は聞いているよ」
「…伊作、こいつ誰?」

目の前にある伊作の肩を叩くと伊作が振り返りながら「ここの店長の雑渡さん」と教えてくれる。

「店長?こいつが?」

信じられなくて眉間に皺を寄せたまま伊作に尋ねると伊作は頷いた。

「驚かせた詫びに何か出すよ。甘いもの好きかい?」

男は薄く笑いながら部屋の奥へと消えて行く。男の姿が見えなくなると伊作が振り向いて「何もされてない?」と真剣な顔で聞いて来た。

「されるって何を?」

伊作の言葉の意味がよく分からずに疑問形で返すと伊作は「何もされてないならいいんだ」と無理やりに笑顔をつくる。

「あの人、悪い人じゃないんだけど厄介な人だから」

伊作はそう言いながら暗い赤い色をしたカウンターの席へと腰を下ろした。一人だけ立っているわけにもいかず、伊作の隣りへと腰を下ろして伊作の方を見ると「んー連れて来たのは間違いだったかなー」と独りごとでぼやいている。

「何だよ、連れて行くって言ったのはお前だろ」
「そうだけどさーだって、あの人ほんとに変な人なんだって」
「まぁ、胡散臭そうではあったけど」

黒い髪に白い包帯、そして上から下まで黒い服を纏った男はどう考えたって怪しい人にしか見えない。手は綺麗だったな、なんて思い出していると男が何やら皿を二つ手にして戻ってきた。

「御詫びにケーキでも食べてってよ。留三郎くんはチョコレート大丈夫かな?」

目の前に置かれた白い大きな皿にはチョコレートのケーキがのっていた。そしてその白い皿にはチョコレートクリームでト音記号が描かれていて、小さく切られた桃とオレンジと生クリームがトッピングされている。

「…うまそう」

目の前のケーキに釘付けになっていると男が「大丈夫そうね」と笑ったのが聞えた。
ケーキの次にコーヒーも運んできた男が向かい合わせるように腰掛け、カウンター越しに目が合う。

「あ、の、」
「食べてもいいよ?」

全部を告げる前に男にそう言ってもらえて俺は両手を合わせて「いただきます」と言った後にフォークでそのチョコレートケーキを切り取った。

「うまい」
「ザッハトルテ、好きだった?」
「うん」

生クリームと絡めて食べると一段と美味しい。フルーツはさっぱりしているから口直しにもいいし、コーヒーは少し苦めでこれまたケーキに合う。
脇目もふらずがつがつと食べ続け、生クリームまできれいに食べおえて顔を上げると、目の前にとても楽しそうに笑っている男の顔があった。

「な、なんで、すか」

笑われた気がして眉間に皺を入れると、「いやぁ、美味しそうに食べるなぁって」と言われてしまった。

「…そりゃ、だって、うまいから」
「ケーキ、好きなの?」
「え、あ…」

しばらく迷って頷くと、「留くん、甘いもの好きだってことが恥ずかしいんだって」と伊作が男へと告げた。

「あ、伊作、てめっ」

慌てて伊作の方を向くと、伊作は笑いながらフォークに刺した桃を口に運んでいる途中だった。食べ終わってしまった手前、まだ残っている伊作が少し羨ましく思う。

「そっかーじゃあもう一個食べれちゃう感じ?」
「え?」

男の方を見ると男は既に空になった皿を下げるために立ち上っていた。男を見上げながら瞬きをすると、男が笑って「ガトーショコラは食べれる?」と聞いてきた。

「はい」
「じゃあもうちょっと待っててね〜」

部屋の奥へと消えて行く男の背中が見えなくなると、俺はくるりと体ごと伊作の方を向いた。

「もう一個貰ってもいいのか?」
「いいんじゃない?雑渡さんが出すって言ってんだから」
「でもケーキって高いんじゃ」
「まぁ、そりゃ無料ってことはないけど、今日は金取らないと思うよ」
「なんで?金取らないで生活出来るのか?」
「さぁ、あの人変な人だから。そこら辺は僕も良く分からないよ」

伊作はアメリカンなジェスチャーでそう言った。これ以上何を聞いてもきっと何も分からないんだろうなと思ったから俺も黙ってコーヒーを啜る。

「お待たせ」

運ばれて来たのは先ほど同じような白い皿にのせられたガトーショコラだった。隣りに盛りつけられている果物が苺にかわっていて、生クリームが先ほどより少し増えている気がする。

「君、生クリーム、好きでしょう?」

黒い目を三日月のように細めた男が楽しそうにそう告げる。

「え、何で」
「美味しそうに食べていたから多めにいれたよ」

その言葉を有難いと思ったけれど、言葉は出て来なかった。視線がガトーショコラに釘付けで、無意識に「うまそう」と呟いてしまう。

「どうぞ」
「いただきます」

両手をきちんと合わせてからフォークを握った。
さっきのケーキも美味しかったけれどこれもまたとても美味しかった。少しビターだからか、多めの生クリームが余ることがない。そして二杯目に淹れられたコーヒーは先ほどより少し甘めな気がした。

「…おいしかったです」

完食して手を合わせると、やはりこっちを見ている男は笑みを浮かべている。

「な、何か顔についてますか?」
「んー?いやぁ、いい食べっぷりで作った甲斐があったなーって。ね、伊作くん」
「え、アンタが作ってんの?」

思わず男をアンタ呼ばわりしてしまい、慌てて口を塞いだ。男は少し驚いたように目を見張っていたけれどすぐにまた目を三日月の形にして笑う。

「この店には私しかいないよ。他に誰が作るの」
「ケーキを作るような見た目には見えないもんね。雑渡さん怪しすぎるから」

伊作が笑って俺の背中を叩いてきた。

「お、俺はそこまで言ってねぇよ」

同意を求められた気がして伊作の手を払いながらそう言うと、「嘘ばっかり。留くんだって思ってたくせに」と伊作が拗ねたように頬を膨らませる。

「今日はチョコレートの気分だからチョコ系しかないよ」
「…自分が食べたいの作れるっていいですね」

美味しそうなケーキが載っている雑誌を見るたびに自分で作れたらいいのにと思っていた。そしたらケーキを買う姿を誰にも見られずに済むのだ。けど、生憎俺はケーキはケーキでもホットケーキしか作れない。

「慣れると結構簡単なもんよ」
「…へぇ」
「材料だってそこら辺のスーパーに売ってるもので足りるしね」
「…俺も食べたいケーキ作れたらいいのになぁ」

本当に羨ましくて仕方がない。男の顔をじっと見ながら羨ましいなんて思ってしまう。

「そしたら留くんケーキ買いに行くのが恥ずかしいなんて悩まずに済むしね」

伊作がからかう様にそう言い、からかってくる伊作にヘッドロックを掛けてやる。

「留くん、やめてよ」

笑いながら伊作が腕を叩き、満足したので腕を離すと今度は逆に掛けられてしまった。
思いの外ちゃんと首がしまって、呼吸がうまく出来ない。

「ちょ、伊作、まじ、くるし」

首が締まりかけて慌てて腕を叩くと伊作が「えー?」と言いながら少し緩めてくれた。

「そんな本気で掛けてないのに」
「締まりかけてただろ、苦しいって」

自分の首を守るように伊作の腕を払うと伊作がつまらなさそうに唇を尖らせる。そんな俺達のやり取りを見ていた男が「若いなー」と一言呟いた。

「留三郎くんだっけ?」
「あ、はい」
「もしよかったらケーキの作り方教えてあげようか」

目の前で男が笑ったけれど、この男の表情の中で一番笑顔が胡散臭く見えてしまう。少しだけ警戒しながら頷くと手の平が伸びてきて頭を撫でられてしまった。相手は随分と年上の男で、しかも初対面である。小さいころから年長者を敬うようにしつけられていた為、男の手を伊作の手のように払うことが出来ず、黙っていると伊作が男の手を払ってしまった。

「雑渡さんそれ本気なんですか?」
「私、伊作くんに一度でも冗談言ったことあったけ?」
「ないですけど〜」

伊作の機嫌が少し悪くなっているのに気付く。いつもは能天気な顔をしている伊作が眉間に皺を寄せて「うーん」と呻いているのだ。

「何だよ、伊作、だめなのか?」
「だめっていうか。あ、じゃあ雑渡さん、僕にも教えてよ」

伊作の言葉に今度は俺が眉間に皺を寄せた。伊作は俺とは違って甘いものにあまり興味がないのだ。この前なんてケーキが食べたいと愚痴った俺に、「コンビニで買ったパンでも食べら?」と言い、パンじゃなくてケーキが食べたいんだよと俺が言うと「栄養価はそんな変わらないじゃん」と呆れたように言っていたのをまだ覚えている。

「…伊作って腹が膨れればケーキでもパンでもいいって言ってなかった?」
「言ってたけど、でも、君ひとりでいかせるわけにはいかないもの」
「…なんで?」
「なんでも!」
「まぁ、俺はお前が一緒に居てくれたら嬉しいけど」
「ほんと?あ、じゃあ、僕も留くんと一緒に習うよ!」

伊作が突然元気になって今度はにこにこと笑いだした。

「きも」
「うわ、留くんひどい」

わぁわぁと言いながら伊作が俺の肩を叩く。そんなやり取りを見ていた男はまた「若いなー」と漏らした。

「楽しそうで何よりだ。君達は何時くらいまで此処にいるの?」
「え?あ、もう結構時間経ってるよ」

伊作が慌てたように鞄を掴んで立ち上った。

「塾行かなきゃ」
「あーお前今日塾の日だっけ?」
「うん。留くんも一緒に帰るでしょ?」

伊作の言葉は疑問形なのに腕はしっかり俺の手を掴んでいる。

「ん。出る」

男と二人きりになったところで会話が続くとも思えず、俺も鞄を手に取って立ち上った。
もう既に伊作はドアを開いていて、男へお礼を言うとすぐにドアから出て行ってしまう。

「あ、ケーキの代金は、」

ケーキ代を払っていない事に気付いて振り返ると、男が「今日はいいよ。でも今度からは取るからね」と微笑む。

「ありがとうございます」

ぺこりと頭を下げ、もう既に店から出た伊作の後を追おうとドアノブを握る。その時、視界の隅にあの絵が映り、無意識にその絵の方へ視線を向けていた。まるで壁の一部のようにこの店の雰囲気に合うその絵を見つめているとまた耳元で「気に入ったの?」と男の声がした。振り向くといつの間にこんなに近くまで来たのか、男が背後に立っている。

「え、あの」

男の質問にうまいこと返事が出来ずに固まっていると店の外から伊作の声が聞えて来た。

「ほら、伊作くんが呼んでるよ」

男がドアを開けてくれて、俺はぺこりと頭を下げる。外では伊作がビルの隙間から空を見上げていて俺も釣られて空を見上げた。薄い水色だった空はもう既に黒に近付いている。

「またね、留三郎くん」

その声に振り向くと男はまだ扉を開けて立っていて、目が合うと片手をひらひらと振った。

「ほら、留くん行くよー」

男に手を振り返すかもう一度会釈をするかを迷っている間に伊作に腕を引っ張られる。

「あ、まてよ」
「え、なに?忘れ物?」

伊作の言葉に返事をせずにもう一度振り向くとついさっきまであった男の姿は消えており、ドアも固く閉じられていた。

「留くん?」
「え、あ、何でもない」
「そう?じゃあ帰ろう」

伊作はにこにこ笑いながら俺の手を掴んで一歩前を歩く。風が吹くたびふわふわとまるで生き物のように動くその髪を見つめながら今日食べたケーキの味を思い出していた。
もう少しで細い路地裏を抜けるという時にもう一度振り向くと、今まで歩いてきた道は闇に浸食されたように暗くて何も見えない。
行き交う人が多い表通りに出ると俺は伊作の手を払った。表通りはさっきの裏通りが近くにあるとは思えないほど街灯やネオンでキラキラしている。暗い所から急に明るい場所へと出て来たからか、景色がぼんやりと目に滲むように感じた。

「…なぁ、伊作」
「なに?」
「あの店の名前、何て言うんだ?」
「店の名前無いらしいよ」
「え、店なのに?」
「雑渡さんが名前つけるのめんどくさいって言ってた」
「…変な人だなぁ」
「ね、変な人だろ?だから留くん一人では行かないでね?」

やけに真剣な声を出した伊作に、もしかしたら秘密の場所を俺に盗られるみたいで嫌なのかなと思った。だから「わかった」と頷いて返事をすると伊作が安心したように笑う。

「じゃあ、また明日行こうね」
「おう」

甘いケーキの味がまだ口に残っていて、明日はどんなケーキなんだろうとわくわくしてくる。期待が膨らむ帰り道、今夜眠れなかったらどうしようかと一人で考えていた。





(2010/03/15)